注意するばかりの指導は、指導ではない

たとえば落ち着きのない子がいたとして、どのような指導を考えますか。

じっくり話して聞かせるなど、もろもろ思いつくかと思います。

 

我々大人は、その子の問題行動ばかりに目がいってしまい、ついつい注意が先行してしまいます。

時には声を荒げて叱ってしまうこともありますよね。

そのこと自体がダメだと言っているわけではありません。

ただ、その声を荒げた場面は本当にそこまでする場面だったのでしょうか。

その後その子の問題行動はなくなったでしょうか。

 

先日のブログにも書きましたが、落ち着きのない子は、わざと落ち着かないわけではありません。

脳にいろいろな想いがめぐってきて、体が勝手に動いてしまうのです。

そのことに本人も苦しんでいるかもしれません。

 

そんなとき、いつもいつも叱られたり注意されたりしたらどうでしょうか。

 

我々人間にきわめて重要な要素に、「自己肯定感」があります。

この自己肯定感はすぐに育つものではなく、こどものころから徐々に培われるものです。

その自己肯定感が損なわれることのないよう、細心の注意が必要です。

 

叱らなければよいというものでもありません。

話して聞かせる場合でも、「あなたが悪いから直さなければ」ということが先行してしまうと、自己肯定感には悪影響です。

 

ここ最近の利用者の方への支援を通じて、改めて上記のことを痛感しています。

本人も、「できない自分」と思い込んでいることも多いです。

うまく自分をコントロールする術を大人から伝えるとともに、決してあなたはできない人なんかではないと伝え続けることが必要です。

 

何を差し置いてもその子の成長を願うこと以外にはありません。

都合や見栄やプライドや、大人にはいろいろな事情があることもわかります。

しかし、将来にわたってその子にとって何が重要か、それを真剣に考え、向き合っていきたいものです。