続きまして、博多の活動報告です。
博多は、小学生高学年から高校生までの子が通っていただいています。
中3も複数おりますので、この夏は勝負の夏でした。毎日来ることを目標にして、ほとんど休まずに来た子もいます。
「夏の生活」という5教科の宿題だけでなく、2学期の定期テストに向けての先取りまで、毎日集中して取り組む子どもたちに、こちらの学習支援も一層気合いが入りました。
小学生の中には、夏休みの宿題の計画を一緒に立てて取り組むことで、今までよりもずっと余裕をもって終了し、プラスアルファの課題にもしっかりと取り組むことができた子もいます。
高校生や特別支援学校に通うこどもたちの中には、個々に目標を設定し、学習や資格などのスキルアップに取り組んでいる子がいます。
入って来たばかりのときには、将来に向けての目標もないし、学習なんて全然やる気がないという子もたくさんいらっしゃいます。ですが、そんな子たちが、学習や自分の将来をどうでもいいと心から思っているかというと、そうではありません。
みんな実は向上したいと思っていますし、自分にもできると思った瞬間に、ものすごい勢いで成長していくものです。
その子に合わせて、でも着実に、日々成長を積み重ねていくことこそが、本当の療育だと考えています。
また、最近公認心理師を複数配置し、心理的なフォローにも力を入れています。話を聞くことはもちろんですが、自分の気持ちをどのようにコントロールしていけばよいかを一緒に考え、学んでいきます。
その他の取り組みとしては、主に以下のようなものを行いました。
取り組みの大きな枠組みとしては、宿題のネタになるような活動をちりばめつつ、心技体をバランスよく育むことを目標としました。
- ミサンガづくり
- クイズ大会
- 英語に触れよう
- 博多高校見学
- AIを使ってみよう
- ラムネづくり
- みんなで1つのゲームを作ろう
- スポーツ交流会
- マインドフルネス
- センサリーボトルづくり
- アイスづくり
- 科学実験(水に溶けるもの、溶けないもの)
- 言葉でゲーム
- バーベキュー
- 石鹸づくり
- 自分のトリセツづくり
- 夏祭り
マインドフルネス、センサリーボトル、自分のトリセツづくりについては、ここのところBrilliusで力を入れている心理的な療育です。
自分のトリセツづくりでは、自分の特性や性格などを見つめ、他者視点でどのようなことに配慮してほしいかをまとめました。
自分の短所はたくさん書くことができるのに、自分の良さとなると手が止まってしまい、悩んでいる子も何人かいましたが、出来上がったトリセツを読ませてもらうと、それぞれが自分自身のことをよくわかっているなぁと感心させられました。
これからもこのような自分を見つめる活動を取り入れていきたいと思っています。
AIについては、宿題をAIにやらせるということを短期的な目標に、2日かけて学びました。学校からはちょっと疎まれそうな取り組みです。明確にAIを使って宿題をやることを禁止した学校もあるようです。
そんな状況ではありますが、AIを使って作文系の宿題に取り組みました。
今後、AIが私たちの生活を変えていくことは間違いありません。多くの人たちにとっては、もしかしたらSiriが前より賢くなったとか、家電が便利になったということぐらいの感覚で終わるかもしれません。ですが、今後のこどもたちにとっての重大な変化として、今ある仕事がAIに取って代わられる、もしくは減る仕事が出てくると思われます。
また、今ある仕事とは別に、AIを上手く活用した新たな仕事が誕生することも多くなるような気がしています。いずれにしても、AIの特性を理解し、ある程度使いこなせることは、今後必須のスキルになっていくものと思われます。
ラムネ、アイスづくり、水に溶けるもの/溶けないものは、自由研究にも使えるようにと考えて取り組みました。
口の中でシュワシュワになるラムネ、酸っぱいラムネなど、材料を変えて何種類か作ってみました。アイスづくりでは凝固点降下を利用して、氷と塩を使って凍らせました。特別な温度計で、-20℃くらいまで急激に下がる様子を作りながら観察しました。
水に溶けるもの/溶けないものでは、身の回りにある色々な物を水、油に溶かしてみました。乳化という現象をマヨネーズを作ってみることで学びました。
すべてがご紹介できたわけではありませんが、今年の夏も、様々な取り組みを全力で行ってきました。
もしかしたら、発達障害や知的障害をお持ちのお子様に対し、この子はこの程度しかできないのではないかと思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、どんなところで能力を発揮するか、やってみないとわかりません。
Brilliusには他の放デイと同様、様々な子がいます。最初の6か月間、まったく勉強できなかった子や、こだわりが強すぎて私たちの声が届かなかった子、知的障害の子もダウン症の子もいらっしゃいます。みんなそれぞれのスピードで成長していっていますし、取り組みに参加したら思わぬ能力を発揮してくれます。
みんなそれぞれのペースで、必死にがんばってくれています。
こどもたちのがんばりもさることながら、やはり保護者の方々のご協力なくして、日々の療育は成立しないことも再認識しています。毎日お弁当をつくったり、送り出してくださったり、送迎してくださったり、様々なご協力があっての療育です。
すぐに成果があがる場合ばかりではありませんが、それに対しても根気強く向き合っていただいています。
本当に、いつもありがとうございます。
今後も、こどもたちの成長に、全力で寄り添っていきます。
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