Scratchとは、こども向けのプログラミング言語です。
(現在はプログラミング言語の枠組みを超えて、「コーディングコミュニティ」と呼んで、Scratchで作成した作品を通じて相互にコミュニケーションを行う、SNSのようなものを総称してScratchと呼んでいるようです)
プログラミング言語というと、JavaやPhythonといったものが有名ですが、これらはコードと呼ばれる英文のようなものを書いていく必要があり、初心者には非常にハードルが高いです。
一方でScratchは、このコードにあたるものをいくつかのかたまりにしてあらかじめ用意しておき、それを組み合わせていけばプログラミングができるように工夫されています。
これがScratchの「開発画面」です。
なんか楽しげですよね。
開所当初、ニーズの高さはわかっていつつ、Brilliusまなびのいえではあまり積極的にプログラミングには触れてきませんでした。
理由としては、すでにプログラミングやITに触れる機会は十分にあり、ともすれば依存しかけているこどもたちがいる中で、あえてわざわざやらなくてもいいのではないかと考えたからです。
一方で、こどもたちのまなびは、興味のあることから出発します。
この興味を引き出すツールとしてのプログラミングは、非常に価値のあるものだと再認識しました。
また、小学校でプログラミングが必修化され、大学入試においても重要な要素になっていくことを考えても、生きていくうえで無視できないものになってきました。
社会的な課題としては、優秀なシステムエンジニアを育てるということがあるでしょう。
プログラムが書けると、自由な働き方にもつながります。
働く場所を選ばないので、海外にいながらにして日本の仕事を請け負うこともできますし、プログラミング言語は世界共通なので、言語の壁は比較的低いともいえます。
ただし、プログラミングはあくまでも方法なので、プログラミングで何をするのかということのほうが重要です。
プログラミング言語については、正直こどもたちは勝手にできるようになってしまいます。
Scratchぐらいであれば、だいたい使えるという小学生はたくさんいるでしょう。
ですので、こどもたちに働きかけなければいけないのは、それで何をするのかということです。
何かやりたいことがあって、それをどうすればできるのか試行錯誤したり調べたりすること、みんなで一つのことをやりきるために、どうやったらまとめることができるのか…そういうことにこそ、まなびがあります。
2023年の夏休みには、「みんなで一つのゲームをつくろうプロジェクト」と題し、個別に作ったゲームを一つにして、大きなゲームとする試みを行いました。
みんなでつくったゲームで、楽しそうに遊んでいるこどもたちの姿が印象的でした。
そこから長期休みのたびにこの取り組みを行っており、2024年の春には、一つのストーリー的な背景をもとに、統一的なゲーム群をつくることにチャレンジしています。
今後、ノーコード、ローコードのアプリ開発や、AIがコードを書くことを代替するような時代になっていきます。
PythonやJavaのコードが書けることの価値は、非常に低くなっていくでしょう。
(コードが書けることにこしたことはないですし、読めることは引き続き必要です)
そんな中必要なスキルは、アプリやゲーム全体を俯瞰し、その構造を理解する力であり、自分のイメージを正しく形にできる力です。
大きな目標ではありますが、そのような力が少しでも身につくように配慮しながら、Brilliusとしてのプログラミングの取り組みを継続していきます。